心理学者「アルフレッド・アドラー」をご存知でしょうか?
「アドラー心理学」は“勇気づけの心理学”といわれ、大ベストセラー「嫌われる勇気」で空前のブームとなりました。
現在二児の母である私は、育休中にこの本と出会い、アドラー心理学にすっかり惹き込まれた一人。
というのも、アドラーの思想を子育てに取り入れたことで、育児のストレスが軽くなり、子どもとの関わり方を前向きに考えることができたからです。

この記事では、アドラー式子育てを
どのように日常生活に取り入れていけばいいのか
ママ・パパの育児の悩みを解決できるヒントをお伝えします。
- 子どもが言うことを聞いてくれずすぐに叱ってしまう
- 自分の子育てに自信がもてない
- パートナーにイライラして夫婦喧嘩が増えた
- 家族の笑顔を増やしたい
1. アドラー式子育ての2つのポイント
●勇気づけ(叱らない・褒めない)

叱られたり、ほめられたりして育った人は、叱られたり、ほめられたりしないと行動しなくなる。「よくできたね」とほめるのではない。「ありがとう、助かったよ」と感謝を伝えるのだ。感謝される喜びを体験すれば自ら進んで貢献を繰り返すだろう。

(叱るとき)
✕「○○しなさい!」
(アドラー流)
◎「ママは○○だと嬉しいよ」
◎「ママは○○することが大事だと思う」

(褒めるとき)
✕「すごいね!えらいね!」
(アドラー流)
◎「○○してくれてありがとう、
パパすごく嬉しいよ」
- 「きっといつかできるはず」と子どもへの期待値を下げる
- 「あなたなら大丈夫」とありのままの姿を受け入れる
- 「ママは、パパは」と主語を自分にして喜びや悲しみを伝える
●課題の分離
\アドラーの思想/
まずは「これは誰の課題なのか?」考えましょう。そして課題の分離をしましょう。どこまでが自分の課題で、どこからが他者の課題なのか、冷静に線引きするのです。そして他者の課題には介入せず、自分の課題には誰ひとりとして介入させない。
子育てをしていると、子どものやることに何かと口を出したくなってしまいます。そんなとき、アドラーは自分と子どもの課題を分けて考えるべきだと話します。
例えば
「小学生の子どもが学校に持っていくべきものをよく忘れる」というケース

✕「ちゃんと忘れ物がないかチェックしなさい!」
✕「自分のことくらい自分でやりなさい!」
(アドラー流)
◎なにも言わず見守る
◎忘れ物をして困るのは子ども自身
◎失敗しても子どもには解決できる
子どもの課題には踏み込まず、できるだけ口を挟まないようにします。
一見見放している冷たい親のように感じてしまいますが、これが親の愛情であり、親の課題です。
「忘れ物をしないように準備をする」という子どもの課題を達成できるように忍耐強く見守る姿勢をもつ。
大事なことは、子どもが助けを求めてきたときに「どうすれば解決できるか?」を一緒に考えていくことです。
そうすることで子どもには「自分の頭で考え解決する力」が養われ、
親の顔色を伺わず、自信をもって様々なことにチャレンジしていく人間に育っていきます。
- 見放すのではなく見守る
- 子どもの課題だと割り切りイライラしない
- 困っている時、相談してきた時は一緒に解決方法を考える
2. アドラー式子育てをどのように取り入れていくか
●親と子は「対等」であると考える

2歳の長男はチャイルドシートに乗ることが大嫌いで、いつものけぞって大泣きしていました。
その度に「早く乗って〜!」とせかしながら無理やり乗せていたので、毎回同じことの繰り返し。
ある日
腰痛がひどかった私は、いつも通り大暴れする長男に
「ママ、腰が痛いから座ってもらえるとすごく助かるよ」
といったところ、
ピタリと泣き止み
「ママ、腰いたいの?病院行く?」と言ってきたのです。
拍子抜けしてしまうほどあっさり座ってくれたので、これには驚きました。
それから、チャイルドシートに乗る度には「腰痛い?」と聞いてくるようになりましたが、、
子どもに正直に気持ちを伝えることで
小さいながらにも理解してくれるんだなと身を持って感じました。

親と子は共に助け合う同志。
子どもから教わることもたくさんあります。
親だからこうあるべき、ということはなく
いつも同じ目線で接していけるといいですね!
●子どもやパートナーを信頼し尊敬する
子育てをしていると思い通りにいかずストレスが溜まっていくものです。
例えば、
・いたずらを繰り返す子ども
・家事育児に協力的ではない夫
・家事・育児に疲れて不機嫌そうな妻
本当は笑顔でいたいのに、ついイライラして夫婦喧嘩に発展することもあるのではないでしょうか?
そこでアドラー流の「他者信頼」を取り入れてみましょう。
例1)いたずらを繰り返すこどもに対して

この子は私を困らせようと
わざとやっているのではないわ。
子どもだからいろんなことに興味をもって
当たり前。
命の危険があるわけではないから
怒らずそっと注意するだけにしておこう!
例2)家事育児に協力的ではない夫に対して

家族や私のことを一番に考えてくれている
はず。いつも仕事を頑張ってくれているから
感謝の気持ちを伝えてみよう。
やってほしいことがあるときは
批判せずに正直に気持ちを伝えよう。
言葉にしないと伝わらないからね!
例3)疲れて不機嫌そうな妻に対して

家事・育児で相当疲れているんだろう。
どんな1日だったのか話を聞いてみよう。
子どもにつきっきりで寂しい思いをしている
のかもしれない。
自分が誰よりも力になれる存在だ。
妻の思いを受け入れて自分にできることは
なにか考えてみよう!
このように、怒りのエネルギーを使わなくてもお互いが歩み寄り、信頼関係を築いていくことはできます。
「どうせ無理」「自分のことを大切に思ってくれない」と悲観的になるのではなく、相手を信頼することで、ママ・パパの自己肯定感があがり、感情をコントロールすることができます。
共に助け合い、問題を解決できると幸せが連鎖していきますよ。
●できないことを認める勇気を持つ


子どもが元気に育ってくれていることが幸せ。
失敗したり、うまくいかないことはあるけれど
自分は毎日よくやっていると認めましょう。
そして過去を引きずらず
「今」どのように過ごしたらいいのかを
考えていきましょう。
3. アドラー式子育てのおすすめ本
アドラー式子育てについてもっと知りたい方におすすめの本を紹介します。
アドラー心理学についてわかりやすくまとめられています。ある哲人と青年の会話形式で物語が進んでいくのでとても読みやすいです。私はこの本で人生観が変わり人間関係のストレスから解放されました!アドラーのことをまったく知らない人には、この本から始めてみることをおすすめします。
「子どもにイライラする、子育てに不安がある」という悩みを解決してくれるマンガ形式の本。育児・家事に忙しいママにも気楽に読めるのでおすすめ!気持ちがほっと楽になる本です。
子育ての悩み、夫婦関係の悩みに寄り添い、具体的な対策を書いてくれている本です。「勇気づけ」の方法をわかりやすくまとめられていて子育てが楽に感じられるようになります。
家族を笑顔にしたいパパのための本です。子供の気持ちや妻の気持ちがわからない、と悩めるパパにわかりやすくアドラー式子育てを教えてくれます。Q&A方式で書かれているので読みやすい本になっています。
4. まとめ
アドラー式子育ては一見、難しく感じてしまうかもしれません。
子どももすぐに行動してくれず時間がかかるかもしれませんが、辛抱強く「子どもには解決できる力がある」と信じてみましょう。
頭の片隅にいれておくだけでも、子どもやパートナーにイライラすることが減り、接し方も変わってくるはずです。

ママパパが楽しく肩の力を抜いて
子育てできるように、
アドラー式子育てを
日常の中に取り入れてみてくださいね
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